インテリア家具ショップのリグナが送る、ライフスタイルWEBマガジン
気になるお店の家具あれこれ

文・写真=小林英治

第1回
2016.05.21

インテリアとしての本棚 下北沢 B&B

下北沢にあるB&Bは、新刊書店でありながら生ビールやオリジナルのコーヒーが飲め、読書の時間を楽しくする雑貨を扱い、毎日本にまつわるトークイベントを開催するなど、さまざまな本との偶然の出会いを提供する新しいカタチの街の本屋さん。たくさんの本が並ぶ店内の本棚は、通常の書店の什器とは異なり、モダンで落ち着いた北欧家具で統一されているのも特徴ですが、実は、この空間は家具屋にもなっていて、すべての本棚は購入することができるのだとか。そんなB&Bの共同オーナーであるブックコーディネーターの内沼晋太郎さん(numabooks)に、本棚の魅力についてお話をうかがいました。

売れるたびに本棚が入れ替わる書店

店内の本棚を販売するというアイデアはどこから生まれたのでしょう。

書店でありながら家具屋でもあるB&B内沼:2012年に「これからの街の本屋」を目指してB&Bをオープンするとき、従来の新刊書籍の売上だけに頼るのではない新しいビジネスモデルを、共同オーナーの嶋浩ー郎さん(博報堂ケトル代表)と一緒に考えました。ビールを販売したりトークイベントを毎日開催しているのもその一環ですが、店内の什器に関しても、家具屋さんと一緒に何かできないかと思ったんですね。そこで、以前嶋さんが編集長をしていた雑誌の取材で僕も訪れたことのあるKONTRASTという目黒区にある北欧家具専門のインテリアショップさんに声をかけて、中古をリペアしたりリメイクしたものを委託という形で本棚として使用しながら販売しています。ですから、ここは本屋B&Bであると同時に、KONTRAST.konceptという家具屋の下北沢支店でもあるんです。他にも椅子やテーブル、ランプなども販売しています。

本棚を販売しているということは、売れたら中の本はその度に入れ替えるんですよね?

新入荷のお薦め本を並べる平台(ひらだい)も実はテーブルを使用内沼:そうです。扱っているのはどれも海外で仕入れた一点ものなので、次に入ってくるものはその都度サイズが違いますから、入れ替えるときに本が全部入り切らなかったりして大変なんですけど、想定していなかった効果もありました。それは、本棚が変わると店内の風景が少しずつ変わるということです。うちのような小さい店舗で鮮度を保つということはとても重要で、品揃えをこまめに手入れしていくことはもちろんですが、本棚という外側の入れ物が変わることでも新陳代謝が起こるんです。そうすると、たとえ品揃えが変わってない場合でも、お客さんにとっては新鮮に見えたり、見つかる本も違ってくるんですよ。人は本を探すのに本だけで選んでるわけじゃないんだなと、改めて気づかされました。

インテリアとしての本棚

逆に、普段は本屋として来ている人が、ここを家具屋として見てみると、また違った風景になりそうです。

本は手前に面で揃えるのが美しく見せるコツ内沼:KONTRAST本店のお客さんで本棚を探している人はB&Bに見に来たりもします。家具屋さんでもメインの商品はやっぱり椅子やテーブルで、本棚って主力商品ではないから、普通はお店に行っても限られた数しか見れないですよね。でもB&Bに来れば、たくさんの種類の、しかも実際に本が入っている状態で見比べることができる。本棚って収納するものであると同時にインテリアでもあるので、見え方は重要ですよね。そんなお店って、たぶん都内でもここだけじゃないでしょうか。

最後に、本棚に本を並べるとききれいに見せるコツがあったら教えて下さい。

内沼晋太郎さん内沼:本の背を手前に揃えて並べるとイイですよ。うちのお店はジャンルや文脈で緩やかにまとめていて、単行本や文庫といったサイズで統一はしてないんですが、すべてを手前に揃えることでスッキリ見えます。あとは、あまり詰め込みすぎないことですかね。本屋としてはどうしてもたくさんの置きたくなっちゃうので、ちょっと今は棚から溢れてる本が多いですが、また次は大きな本棚が入荷するかもしれないですし(笑)。

B&B

〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F

TEL:03-6450-8272 FAX:020-4664-1622

http://bookandbeer.com/

© Erika Kobayashi

小林英治(こばやし・えいじ)

1974年生まれ。編集者・ライター。雑誌や各種Web媒体で映画、文学、アート、演劇、音楽など様々な分野でインタヴュー取材、イベント企画などを行なう。編集を手がけた書籍にOpen Reel Ensemble『回典』(学研)ほか。リトルマガジン『なnD』編集人。

Copyrights © Rigna Co. All Rights Reserved.

インテリア家具ショップのリグナが送る
ライフスタイルWEBマガジン